小さくなっている大嵐の謎
2019年8月8日

  今年は世界のさまざまな地域で異常気象がおこりましたが、それでも木星にある太陽系最大の嵐ほどひどいものはありません。巨大なガス惑星の木星には、有名な大赤斑(だいせきはん)という大きな丸い模様があります。これは、木星のガスによる巨大な嵐です。科学者にとって謎なのは、それが毎年どんどん小さくなっているのです。

  木星は地球より質量が100倍以上も大きな惑星です! そしてこの巨大な惑星は、太陽系のほかのすべての惑星を合わせたよりも2.5倍も多くの質量を持っています。そのほかにもこの惑星には謎がいっぱいです。

  木星は主にガスでできた惑星で、そのガスは雲の帯をいくつもつくり、小さな望遠鏡でも見ることができます。このガス惑星は、ハッブル宇宙望遠鏡のような、もっと大きな望遠鏡からも観測されています。今年ハッブル宇宙望遠鏡は木星の新しい写真を撮影しましたが、そこには大赤斑の美しさと謎が写っています。それは巨大な赤い色の雲の嵐で、大きさは地球よりも大きいのです。

  大赤斑の嵐は、150年以上にわたって荒れ狂っています。ハッブル宇宙望遠鏡はこの嵐を長年にわたって観察してきました。そしてそれがだんだん小さくなっていることに気づきました。実際この大嵐の幅は、毎年ちょうど1000km弱ずつ短くなっています。これは、ちょうど鹿児島県の種子島宇宙センターと東京ぐらいの距離(きょり)になります。天文学者たちは、なぜこんなことが起こっているのか、そしてなぜ大斑点が赤いのかがわかりません!

  また木星には他の嵐もおきていて、それらは茶と白のだ円形だったり、円形として見えます。これらの嵐は数時間のものもあれば、数百年間も長く続くものもあります。そして木星で吹く風は、時速650kmに達することがあります。これは地上の竜巻の3倍以上のスピードです!

  ハッブル宇宙望遠鏡はこれからも木星の観察を続けます。その神秘的な大赤斑やそのほかの嵐について、よりくわしく分かっていくことでしょう。

 

画像クレジット:NASA、ESA、A.サイモン(ゴダード宇宙飛行センター)、M.H.ウォン(カリフォルニア大学バークレー校)

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This Space Scoop is based on a Press Release from ESA .
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