サイエンス・フィクションからサイエンス・ファクトへ
2011年12月14日

あなたはおそらく、この宇宙画が一体全体、何なのだろうと思っているでしょう。スペーススクープの記事によく出てくるすばらしい写真や絵の多くとはちがって、これはコンピュータ上でアーティストがえがいた宇宙画なのです。

こんな絵は、アーティストの想像力によって思いついたものではありません。代わりに、これらのアーティストは天文学者と協力して、私たちが撮影(さつえい)することができない宇宙の物ごとを正確にえがきます。

たとえば、この写真の青い線は、星が軌道(きどう)をえがいた道すじをあらわしています。まるで惑星のように、星も楕円(だえん)軌道をえがいています。もちろん、これらの青い線は路面標示のように実際に宇宙には存在しませんが、アーティストがえがくことはできます。一方、赤い線は、ガスの巨大な雲が動いている道すじをあらわしています。

しかし、この星やガスは、どこの周りを回っているのでしょうか?これがこの新しい写真が示そうとしていることなのです。写真の中央付近には、ブラックホールと呼ばれる目に見えない天体があります。こういった天体は目に見えません。なぜなら、ブラックホールに近づくと、なんでも飲み込んでしまうからです。光さえも、です。天文学者によると、ブラックホールの中には非常に大きなものがあり、超大質量ブラックホールと呼ばれています。そしてそれは、ほとんどの銀河中心に1つあるということがわかっています。

天文学者は最近、南米のチリのVLTという超大型望遠鏡を使って、私たちの住む天の川銀河の中心にある超大質量ブラックホールに向かって加速するガス雲を発見しました。これは、天文学者たちが超大質量ブラックホールに近づくガス雲を目撃(もくげき)した初めてのこととなります。このアーティストがえがいた画像は、天文学者たちが2021年にガス雲に起きるだろうと考えていることを絵にしたものです。

天文学者ステファン・ジレッセンさんは次のように言っています。「ブラックホールに近づいた宇宙飛行士が、スパゲッティのようにのびていると考えているのは、SF小説によく出てくる考え方です。しかし、今回新たに発見されたガス雲には、これが実際に起こっていることだと思えます。」

今後数十年の間に、ガス雲がどのように飲みこまれるのかをえがいているこの素晴らしいビデオをご覧ください。

知っ得ダネ

この画像にえがかれたガス雲は、地球の何倍も重いものです。ガスでできた巨大な玉だともいえます。

This Space Scoop is based on a Press Release from ESO.
ESO

この記事は、ESO(ヨーロッパ南天天文台)の報道発表によります。

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