宇宙のガスにもっとスパイスを加えますか?
2012年5月9日

宇宙にうかぶもので、地球上にあるもののように見えるのがいくつかあっておもしろいですね。たとえば、何万個もの星が写っているこの新しい天体写真を見てください。星々が集まって混み合っているようすは、湿地にいるホタルの群れのように見えますね。

この星の群れを球状星団といいます。星々はお互いの重力のために近くにかたまっています。球状星団のすべての星々は、同じガス雲からほぼ同時に生まれました。つまり、これらの星々は兄弟姉妹となります。

これらの星々は、私たちにみじかな恒星である太陽よりもずっと古いのです。私たちの太陽は生まれて約50億年しかたっていませんが、この星団の星々は100億年をこえています。実際、球状星団は私たちの宇宙のなかでは最も古い天体のひとつです。

宇宙は、私たちの太陽が生まれたころと比べ、これらの古い星ができたころはずいぶんちがった場所でした。これらの星をつくるために利用できる材料は、ほとんどが水素ガスばかりでした。でも、太陽が作られたのは、酸素、鉄、金などのさまざまな化学成分が、スパイスのようにまき散らされた水素ガスの雲のなかでした。

これらのさまざまな材料は、死んでいく星の中で、いくつかの星の一生の終わりを示す爆発(ばくはつ)の時※に作られました。星が死んだ後、これらの成分は宇宙にまき散らされました。しかし、球状星団の星は宇宙がたいへん若い時に作られたので、宇宙にただようガスに、そのようなスパイスといえる様々な材料をこのやり方で、まだ加えられなかったのです。

※これを超新星爆発(ちょうしんせいばくはつ)といいます。

知っ得ダネ

太陽から一番近い恒星ケンタウルス座のアルファ星までの距離は約4光年ですが、この球状星団では、その25倍の差し渡し100光年の範囲に約10万個もの恒星がひしめきあっているのです。

This Space Scoop is based on a Press Release from ESO .
ESO
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