赤ちゃん星で点つなぎパズルをしてみよう
2023年3月29日

雑誌やドリルで点つなぎパズルをしたことがありますか?最初は何がかくれているかわかりませんが、点をつないでいくと、ごちゃごちゃした点々から模様(もよう)がうかび上がってきます。最近天文学者は、赤ちゃん星のまわりにかくれている、不思議なうずまき模様に気づきました。点のかわりに、「メーザー」という変わった「宇宙の灯(あか)り」をつないだ模様です。メーザーとは、強い電波の放出で、レーザー光の電波(マイクロ波)版です。

星(こうせい)は、ガスとチリでできた円ばんの中心で生まれます。円ばんは、中心の「原始星(げんしせい)」とよばれる赤ちゃん星が大きくなるため「栄養(物質)」をあたえ続けます。太陽の8倍以上重い大質量の原始星の場合、絶え間なく円ばんから「栄養」が流れこむわけではありません。物質のかたまりが時々原始星に降り注ぎ、その時以外は流れが止まります。物質が勢いよく流れこむエネルギーで円ばんが熱くなり、ガスが外側に向かって広がっていきます。そして熱くなったガスがメーザーを発するのです。天文学者は、この短い時間のエネルギー放出を「一時的な星の成長バースト」とよんでいます。

世界のいろんな場所にある電波望遠鏡で同時にひとつの天体を観測し、望遠鏡同士のきょりと同じ直径の大きなバーチャル電波望遠鏡で観測したような、くわしい観測データをえる方法をVLBIといいますが、日本の国立天文台などの国際研究チームは、VLBIの方法を使って、大質量原始星 G358-MM1をくわしく調べました。研究者はメーザーが受かった場所をつないで、G358-MM1の円ばん表面のようすを描き出すことに成功しました。この新しい方法を、「熱波マッピング」といいます。しかも、このマッピングで、すごいことがわかったのです!

この恒星のまわりにある円ばんの構造は、単純ではなかったのです!この回転する円ばんにはうずまき模様があり、まるでタコの足のように見えます。うずまきは、8本足ではなく、4本うでですが。このうずまき模様は、円ばんが重力的に乱され不安定になっていることを示す証こだと、天文学者は考えています。この模様は、重い星が生まれている場所でよく見られます。

この発見により、重い星のできかたでカギをにぎる、時々原始星に落ちこむチリとガスのかたまりが、円ばんの中ではうずまきの模様にならんでいるということがわかりました。さらに調査を進めるために、天文学者は、まわりでメーザーが受かるほかの赤ちゃん星を探すつもりです。もしかしたら、そこでもうずまきが見つかるかもしれませんし、まったく予想外の模様が見つかるかもしれません!

画像:原始星 G358-MM1をとりまく円ばんのようす。白い「+」マークが原始星のある場所。等高線はガスから届く電波の強度で電波が強いところに物質がたくさん集まっています。色はガスの速度を表しており、地球から見て遠ざかっているガスを赤やオレンジで、近づいているガスを青や緑で示しています。この速度パターンを見ると、円ばんが回転していることがわかります。データ解析から見つかった4本のうずまきうでをグレーの線で重ねて描いています。(クレジット:R. A. Burns)

国立天文台による日本語サイトあり

知っ得ダネ

メーザーが宇宙で初めて観測されたのは1965年のことだと知っていましたか?メーザーを発しているのは、水やメタノールなどの普通の分子なのですが、電磁波を吸収した後、ちょっとしたしくみで電波を増幅させるのです!まるでマイクが音を増幅させるみたいですね。

This Space Scoop is based on a Press Release from NAOJ .
NAOJ

この記事は日本の国立天文台からの報道発表によっています。

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