宇宙の花火の意外な新情報
2021年7月27日

ガンマ線バーストって聞いたことはありますか?銀河系から遠くはなれた銀河の中心で起こる巨大な爆発(ばくはつ)で、ガンマ線が勢いよく飛び放たれる(バースト)ことです。じっさい、宇宙の中で一番強力で明るい現象なんですよ!これらの爆発は短いときは千分の数秒程度、長ければ何時間も続いて強力なガンマ線を出します。

天文学者たちはこれらの現象を二つのグループに分類しました。そのうちの一つは2秒未満で終わる短いガンマ線バーストで、中性子星どうしがくっつく時に起こると考えられています。もう一つの方は長いガンマ線バーストで、ものすごく重い星の死によって起きる超新星(ちょうしんせい)爆発とともに生じると考えられています。

ジェミニ天文台で観測しているチームが、この二つの分類のどちらにも入らないガンマ線バーストがあることをつきとめました。0.6秒の短いガンマ線バーストが超新星爆発を起こした遠くの銀河からやってくるのを発見したのです。超新星爆発によって起こる長いガンマ線バーストのグループとしては、これまでに発見されたもっとも短いガンマ線バーストです!

科学者たちによると、超新星爆発なのにガンマ線バーストがこんなに短いのはガンマ線のふきだすジェットが恒星から完全に飛び出すほど強くなくて、バーストするところまでいかないからだそうです。超新星爆発をしようとする恒星の中には、このようにガンマ線のジェットが弱くてガンマ線バーストを起こすこともできないものもあるのです。

この発見にはある天文学のなぞをとくヒントがあります。長いガンマ線バーストはふつうIc-BLタイプという特定の超新星からやってくると考えられますが、このタイプの超新星は長いガンマ線バーストの観測数よりもたくさんあります。そのたくさんの超新星の中には天文学者たちが予想しているような長いガンマ線バーストになるものだけではなく、短いガンマ線バーストとして姿をあらわすものがかくれているかもしれません。

もしかするとガンマ線バーストを時間の長さでグループ分けするよりも、もっといい方法があるのかもしれません。ガンマ線バーストが起こる原因を考えると、調べることはまだたくさんありそうです。

画像:イラストは超新星が爆発する直前に短いガンマ線バーストを放射しているようすを描いた想像図です。

謝辞:ジェミニ天文台 アメリカ科学財団の国立光学赤外線天文学研究所(NOIRLab)/ 全米科学財団(NSF) / 全米天文学大学連合(AURA)/ J.ダシルバ

画像加工:M. ザマニ(米国立光赤外線天文学研究所)

知っ得ダネ

ガンマ線バーストはとてもめずらしい現象ですが、一度にものすごいエネルギーを出します。ふつうのガンマ線バーストは数秒間に、私たちの太陽が一生の100億年間に出すよりも多くのエネルギーを数秒間に出すんですよ!

This Space Scoop is based on a Press Release from NOIRLab .
NOIRLab

この記事は、アメリカ科学財団の国立光学赤外線天文学研究所(NOIRLab)の報道発表によります。

写真

もっと知りたい方へ

スペース・スクープとは何?

天文学の発見

つぎの宇宙探検家を励ますこと

スペース・スクープのなかまたち

お問い合わせ