何かが足りない
2020年9月10日

宇宙には、まだ答えの見つかっていない疑問がいっぱいあります。そのうちの1つが「宇宙はなにでできているのか?」です。天文学者たちは、宇宙がある物質でいっぱいであることをつきとめましたが、それがまだよくわからない物質なので、とりあえず「ダークマター=暗黒物質(あんこくぶっしつ)」と呼ぶことにしました。

ダークマターというふしぎなモノ

 ダークマターはふしぎなモノで、光を出さないのでまったく見えません。それでこんな名前がついたのです。でも目に見えるふつうの物質の5倍ものたくさんのダークマターが、宇宙にはあると考えられています。

科学者たちにはダークマターが存在していることはわかっています。目にはみえないけれど、暗黒物質がまわりにあるものにあたえるえいきょうを観察することでわかります。透明人間の足あとをみて、そこにいるのがわかりますよね。

ダークマターは銀河たちをつつみこむように存在していることがわかっています。銀河やガスがばらばらにならずにまとまっていられるのは、ダークマターのおかげにちがいないのです。

ひょっとして何かが足りないの?

 天文学者たちはさいきん、わくわくするような発見をしました。ダークマターのふるまうようすから考えると、あるはずの何かが足りないのです。これはハッブル宇宙望遠鏡とヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡からのデータを組み合わせることで発見されました。

天文学者たちの国際チームが銀河団を調べてみました。銀河団というのは銀河があつまっているかたまりのことです。ダークマターのほとんどは、この銀河団の中で見つかります。これらの銀河団の中には、ダークマターがたくさん集まってこくなっていたり、うすくなっていたりするところがあります。

このチームは銀河団の地図を作って、ダークマターがどこにちらばっているのかをしらべました。おどろいたことに、ダークマターの小さなかたまりが周りにあたえる影響(えいきょう)は、予想したよりも強いことがわかったのです。どうやら、宇宙に広がるダークマターの中には、これまで私たちが考えていた以上にこく集中している場所があるようです。それは、「知っ得ダネ」のコーナーで説明した、向こう側にある星々や銀河からやってきた光の進め方を曲げる「重力レンズ効果」を調べることでわかりました。

今後もっと研究が盛んになって、いつかダークマターのなぞがとけることでしょう!

 

写真提供:NASA(アメリカ航空宇宙局)、ESA(ヨーロッパ南天天文台) G. Caminha 氏(フローニンゲン大学)、 M. Meneghetti氏 (ボローニャ天体物理学・宇宙科学観測所)、 P. Natarajan 氏(イェール大学)、the CLASH team, M. Kornmesser氏 (欧州宇宙機関/ハッブル宇宙望遠鏡

知っ得ダネ

この画像の中に、らくがきのような線とへんな形が見えますか?それらは、この銀河団の向こう側、もっと遠くにあるにある銀河なんです。これらがきみょうな形に見えるのは、ほかの銀河やダークマターの重力にひっぱられて光がまがっているからです。これは重力レンズというげんしょうで、こちらの記事で学ぶことができます。重力レンズは、この画像の中に見えるダークマターの場所をつきとめるのに使われているんですよ!。

 

この記事はハッブル宇宙望遠鏡の報道発表によります。

This Space Scoop is based on a Press Release from Hubble Space Telescope.
Hubble Space Telescope

Junko Misaka / Osaka Science Museum

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