ナゾが解けた!:「ブレーザー」銀河からやってくるオバケ粒子(りゅうし)
2018年7月26日

南極で生きていくのは大変です。気温がマイナス80度まで下がる「こおった砂ばく」ですから。それにも関わらず、科学者はこの8年間、こぞって南極へと向かいました。「小さくてほとんど見えない粒子のビームを、地球に向けて発しゃしているのは、一体何なのか?」というナゾを解くには、南極が最も良い場所だったからです。

この「ニュートリノ」とよばれるオバケ粒子をとらえるのは、きわめてむずかしいです。この粒子は、1秒間に何百億個もあなたの体をつきぬけているのですが、全く気付きませんよね。もしも、かい中電灯でかべを照らすと、光はかべにあたるだけで、通りぬけません。しかし、ニュートリノを照らすかい中電灯があったなら、かべを通りぬけて光るでしょう。

しかしごくたまに、ニュートリノが運良く検出器につかまることがあります。南極の氷の下にうまった検出器にニュートリノがぶつかった時が、その時です。

これが起こると、現場にあるコンピューターが、ニュートリノが大体どちらの方向からやってきたかをすぐに計算します。そしてあっという間に、コンピューターが世界中の望遠鏡に連絡し、ニュートリノを発しゃした天体を見つけるようによびかけます。

ニュートリノがやってきた方向を調べた多くの望遠鏡は、すぐに、ふだんの3倍明るくかがき始めたブレーザーを見つけました。ブレーザーは特別な種類の銀河で、中心にある超巨大(ちょうきょだい)ブラックホールが物質をばらばらに引きさき、そして大ほうの玉のように宇宙にまき散らします。

ニュートリノがとらえられたことが、ブレーザーが明るくなったことと関係している可能性はとても高いです。この観測により、わくわくするような新しい宇宙の調べ方ができるようになった、と言えるでしょう。

国立天文台による日本語サイトあり

知っ得ダネ

ほとんどのニュートリノは、全く信号を発することなく、まっすぐに検出器を通り抜けていきます。もしもあなたが、人間サイズの検出器だとすると、初めてニュートリノからの信号をとらえるのに100年くらいかかってしまうでしょう。そして、ものすごくエネルギーの高いニュートリノをとらえるには、10万年くらい必要でしょう。

This Space Scoop is based on a Press Release from NAOJ .
NAOJ

この記事は、日本の国立天文台からの報道発表によっています。

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