宇宙の消えたリチウム
2014年9月11日

  「あなたは星くずから生まれたのよ」って、聞いたことがあるでしょう? それは本当のことです。人間の体や身の回りの物を形づくっている沢山の小さな物質(粒子)は、何十億年も前に星の中で形づくられたものなのです。でも宇宙にはそれよりもっと古いもの、宇宙ができたその時につくられた物質があります。

   宇宙が始まったビッグバンの2~3分後に、ある種の元素ができたと天文学者は考えています。その中には、水素やヘリウムといった宇宙ではありふれた元素のほかに、わずかですがリチウムという元素物質があります。

   天文学者は、宇宙が始まった頃にどれだけのリチウムが存在したのか、かなり自信をもって正確に計算できます。ですから古い恒星の中にどれだけのリチウムが今残っているのかもわかるのです。でも結果は違っていました。古い恒星の中のリチウムは、予想していたおよそ3分の1しかありません。それがなぜなのか、理由は今日でも謎なのです。

   現在私たちは、銀河系の比較的近くにある恒星のリチウムしかその量をはかれません。しかし現在、ある天文学者のチームは、私たちの天の川銀河よりはるか遠くの星団にあるリチウムの量を、苦労して調べています。

   このぎっしりつまった星々の写真は、M54という星団です。これが発見されてから200年以上もの間、それは天の川銀河にある他の球状星団と似たものと考えられてきました。しかし1994年、M54は、実は全く別の銀河との間に位置するもので、天の川銀河の中心と地球との間の距離の3倍以上はなれたところにあるものだとわかりました。

   新しい研究によると、この球状星団にあるリチウムは、天の川銀河の球状星団にあるリチウムの量とよくにています。このことは大きな科学的発見のようには見えませんが、でも、リチウムの量が少なくなった原因がなんであるにせよ、この現象はおそらく宇宙全体に起こっていることで、私たちの天の川銀河だけのことではないということがわかります。

知っ得ダネ

   リチウムって聞いたことがないかも知れませんね。でもそれは毎日の生活の中でよく使われているものの中にあります。パソコンや電気自動車、そして携帯電話のバッテリーに使われています。

This Space Scoop is based on a Press Release from ESO.
ESO
写真
印刷用ページ
もっとスペース・スクープについて

もっと知りたい方へ

スペース・スクープとは何?

天文学の発見

つぎの宇宙探検家を励ますこと

スペース・スクープのなかまたち

お問い合わせ

このウェブページはn° 638653の助成によるECH2020プログラム基金によって作られました。