探査機ロゼッタ、彗星とお友達に
2014年8月6日

  10年もの長きにわたり太陽系の半分の距離を飛び、しかもその間に太陽の周りを5回も周って、彗星探査機ロゼッタは、やっとその目的地に到着しました。それは彗星67P。発見者たちの名前をとってチュリュモフ・ゲラシメンコとよばれる彗星です。

  現在、探査機ロゼッタは、その彗星の100km上空から地球へ情報を送っています。今後2~3週間、ロゼッタの一番の仕事は、搭載しているフィラエという測定機を彗星に着地させるための最適な場所を探すことです。

  もしもすべて順調にいけば、フィラエは今年の末には世界で初めて彗星の表面に落とされる測定機になります。

  でもロゼッタの旅はそれで終わりではありません。今後何ヶ月間か、ロゼッタはチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星とともに太陽の周りをぐるっと回ります。そのあともう一度木星の方角にもどっていきます。

  一年後、ロゼッタと彗星のペアーは太陽系の旅の中で最も太陽に近づくポイントにさしかかります。この時、彗星は最も輝きはじめます。

  彗星とは宇宙にある氷と岩のかたまりです。ですから彗星67Pも太陽の近くを通過すれば溶けてきます。彗星から溶け出す水分は、ほうき星と呼ばれるような素晴らしい尾をつくるでしょう。

  でも残念なことに、見事な尾を持った彗星67Pの姿は、強力な望遠鏡を使わないと夜空に見ることはできません。そのかわりに、探査機ロゼッタはもっといいものを送ってくれるでしょう。それは、太陽に照らされた彗星がどのように変化していくかという姿を間近から見せてくれるのです。

知っ得ダネ

  この計画は、エジプトで発見されたロゼッタ・ストーンという石碑(せきひ)にちなんで命名されました。この石碑によって、私たちは古代エジプトの象形文字を解読することができたのです。このロゼッタ・ストーンのように、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の探査機ロゼッタは、太陽系が形成したときに残されたものからできた天体、彗星の謎を解き明かし、私たちの宇宙の歴史についての理解をあらたにしてくれることでしょう。

This Space Scoop is based on a Press Release from ESA .
ESA
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