太陽に降る激しい雨
2014年6月30日

太陽でも強風とにわか雨による悪天候が続く時期があります。しかし、地球上にしょっちゅうおきる嵐とは異なり、太陽での雨は水でできているのではなく、プラズマと呼ばれる電気を帯びたとても熱いガスでできています。そして、コロナと呼ばれている太陽の超高層大気から、北海道と同じくらいの大きさのしずくが何千個にもなって、毎時20万キロメートル程の速さで降ってきます。


この驚くべき現象はほぼ40年前にはじめて発見されました。太陽を勉強する人たちのことを太陽物理学者といいますが、この人たちは現在最新技術をもつ衛星のおかげでこと細かく太陽を勉強することができます。その結果、これらの驚くべき嵐の真相が明らかになりはじめました。


太陽に降る雨が、地球上での雨のできかたと非常に似ていることがわかりました。太陽の大気の状態が正常であるならば、プラズマは表面から蒸発し、熱いプラズマの雲ができます。雲は、それから冷えていくとともに、ついにはとても熱いプラズマの雨のしずくとして太陽の表面に落ちてきます。


しかしながら、太陽の上に雨雲の形をつくりはじめるきっかけは、地球上とは非常に異なります。太陽フレアは太陽系で最も強力な爆発であり、太陽の大気を熱して、プラズマを蒸発させ雲ができるきっかけを与えます。

知っ得ダネ

太陽コロナは、焼けるような温度で200万℃にもなり、比較的冷たい太陽の表面(それでもなんと6000℃です!)とくらべるととても熱いです。まだ、だれひとり太陽の大気がなぜそれほど熱くなるかについて、本当によくわかっていないことが問題です!


この記事は、王立天文学会からのプレス・リリースに基づきます。

This Space Scoop is based on a Press Release from RAS .
RAS

Kenichiro Takashiba / Friend of Nishi-Harima Astronomical Observatory

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